2013年レースレポート

2013 MOTORSPORTS REPORT




Super Taikyu GT3



TEAM NOVA

スーパー耐久シリーズ 第3戦

2013年7月20日-21日 ツインリンクもてぎ

この第3戦がS耐初戦となったTEAM NOVA「もり山 R8 LMS ultra からあげ」
今回はSUPER GTの公式テストと日程が重なっていたため、
荒聖治が決勝日ウォームアップ走行からの参加となり、
予選は湯澤、渋谷の2名でのアタックとなった。

公式予選 7月20日(土)  天候:曇り 路面:ドライ
総合7位、クラス7位

予選日は曇りとは言え、真夏の暑さの中での戦いとなった。
Aドライバーの予選は13時40分にスタート。
コースインした湯澤は、2周目のアタックラップで1‘58. 004をマーク。
そして3周目、タイムを1’56.310に更新しアタックを終えた。

続いて開始されたBドライバー予選。渋谷は2周目で1’57.495をマークし、
3周目にはさらにタイムを縮め1’56.945を叩き出す。
その後クールダウンの周回を挟み、
6周目に再度アタックに出たが、惜しくもベストタイム更新は成らず予選を終えた。

スーパー耐久のスターティンググリッドは
A、Bドライバーの予選タイムの合計によって決定される。
結果、7番手を獲得することとなった。



決勝レース 7月21日(日)  天候:晴れ 路面:ドライ
総合6位、クラス6位

SUPER GT公式テスト参加のため予選に出場できなかったC/Dドライバーは、
決勝日朝のウォームアップ走行で
基準タイムをクリアすることで決勝での走行が認められる。
TEAM NOVAでも荒が該当していたが、難なく基準タイムをクリアし決勝出場を決めていた。

スタートドライバーは荒。
規定により、プラチナドライバーの荒はレース全体の1/3しか運転することが許されない。
また、新人の湯澤は経験が浅くラップタイムが安定しないため、
渋谷の走行距離を伸ばすことで上位を目指す作戦をチームは取った。

レーススタートでは、ポールポジションからスタートするはずだった
24号車が給油装置のトラブルのためピットスタートとなる。

6番手からレースをスタートさせた8号車、
荒は難なくスタートをこなし順調にレースを進めて行く。
6周目に他車のクラッシュのためセーフティカ―が入り、2周に渡りコースを先導。
再スタート後、13周目頃からピットスタートだった24号車が荒の20秒後方にせまって来る。
しばらくは2台が同じペースで周回を重ねていたが、
ドライバー交替が近づきタイヤがきつくなった頃には
6.5秒差までその差を縮められていた。

荒から渋谷にドライバー交替したのは46周目。
荒がピットインした時点でのポジションは5番手。
長距離を担当することになった渋谷だが、レース中は終始57~58秒台をマーク。
暑さとの戦いともなった中、ドリンクが出ないというトラブルに見舞われながらも
体力的には全く不安なところを見せず、
チームの期待通りに安定したタイムで周回を重ねた。
そして危なげなく66周に渡って5番手をキープ。
113周目でドライバー交替のためピットインした。

渋谷からバトンタッチされた湯澤は、トラフィックの処理に手間取り
なかなかラップタイムを上げることができず、苦しいレースを続けていた。
それでもレース途中からは本来の走りを見せ始め、57秒台での走行となる。
レースは終盤、3号車の緊急ピットイン、81号車のスロー走行、
28号車のコースアウトと波乱を見せたが、上位から2周の差がついていた
8号車 Audiは僅かに足りずポジションアップには繋がらなかった。

結果、4位でチェッカーを受けた8号車Audiであったが、
ドライバー交替をともなうピットストップ義務違反のペナルティで
3周減算となり、6位に降格。
チームにとっては非常に悔やまれる、また大いに反省すべき初戦となった。


■Aドライバー 湯澤選手のコメント

予選では目標だった55秒台には入れておきたかったのですが、
まだステアの軽さ、車の特性になじんでなく、いまいち攻めきれませんでした。
次回はもっと車のコントロールが出来るよう
車載映像、データロガーなど見て研究したいと思います。

決勝は荒選手、渋谷選手と続き自分の番が回ってきました。
順位は5番手で4位との差、6位との差が結構あったので
完走目標でしっかりマシンをコントロールして走りました。

しばらくして雨が降り難しい状況になりましたが、
トップグループの車がコースアウトやトラブルで後退、
表彰台行けるか!?という流れになったのですが、
前半上手くトラフィックを捌けなかったことと
ペースが後半と比べて遅かったのもあり、
もう少しのところで3位を逃してしまいました。

今回失敗したトラフィックの捌き方がもっと上手くなるよう、
荒選手、渋谷選手の車載映像を見て研究して表彰台に上がりたいと思います!


■Bドライバー 渋谷選手のコメント

今回S耐最高峰のGT3クラスに耐久王者と言われる
Audi R8 LMS ultraにて参戦できることが決まり、
十分なテストは出来なかったものの、他クラスでの優勝経験もあり、
不安とともに大きな期待を持ってレースウィークを迎えることとなった。

荒選手が決勝日当日朝からの合流となり、初戦から一抹の不安も感じられたが、
湯澤選手と共に決勝に向けてマシンに十分慣れるよう心掛け
予選決勝と向かって行った。

予選では、スーパー耐久の場合、他クラスと同時にアタックを
かけなければならず、最速クラスであるGT3クラスは周回を重ねる事で
予選アタック中に他クラスのマシンに引っかかる可能性が高く、
間合いを見極めるのがなかなかに困難となる事が予想された。

そのような中、湯澤選手は冷静にアタックし、
前日までのベストタイムをあっさりと更新してみせた。
また自分も前日までのベストタイム更新とはなったものの、
アタックラップ中に直前を走っていたポルシェ911GT3Rのミスに付き合う形で、
タイムを損する形となりやや納得のいかない結果となってしまった。


決勝当日、この日から合流した荒選手が、
朝のフリー走行でいとも簡単に湯澤選手、渋谷の出した予選タイムを
越える走りを見せ、これがプロの走りかと様々学ぶ事が多かった。

決勝は、前日までの平均ラップタイムを考慮した上で、
私と湯澤選手の予定周回数が決まって行った。荒選手は予定通り、
淡々と素晴らしいタイムでラップを刻み、
他車とのバトルを楽しんでいるかのようであった。
しかしながら、マシンポテンシャルのためか、徐々にその差は広がっていき、
46周目には5位で渋谷にドライバーチェンジした。

決勝中は私自身未知の66周連続ラップとなったが、
ドリンクが出ないなどの小トラブルはあったものの体力面での心配は無く、
また周回中のラップタイムは荒選手に肉薄する面もあり、
平均的にラップしながらノートラブルで走りきった事は今後レースをして行く上でも
大きな自信に繋がるものであった。
113周目には湯澤選手に交代となり、レースも後半になり路面はかなり荒れている中、
また軽い通り雨もありながら、
あと一歩のところで表彰台となる暫定4位で無事チェッカーを受ける事が出来た。

レース後、ピットストップドライバーチェンジ回数規定での問題があったとの事で、
3LAP減算の判定を受ける形となってしまい、正式結果は6位認定となったが、
これに関してはレースがチーム戦であるという事を
チーム員全員が再認識する事になり、
次戦に向けて意気軒昂となっているものと感じている。

次戦富士SUPER TECでは更に2時間長い7時間耐久レースであり、
茂木戦を超える結束力で挑んで行ける事に大いに期待している。


■Cドライバー 荒選手のコメント

今シーズン第3戦目からですが、NOVAエンジニアリングのアウディR8で
スーパー耐久シリーズを戦えるチャンスを頂き、とても感謝しています。
アウディはルマン24時間耐久レースをともに戦ったメーカーであり、
僕にとっては特別な存在です。

今回はSUPER GTのテストとスケジュールがバッティングしてしまい、
日曜日のみのドライブになってしまいましたが、R8が持つバランスの良さで、
すぐにレーシングスピードで走ることができました。
そして、5時間という耐久レースで改めてR8信頼性の高さを実感しました。

次の富士大会は7時間というロングディスタンスレースとなります。
このアウディR8の信頼性の高さを武器に3人で表彰台を狙います。



TEAM NOVA使用マシン:AUDI R8 LMS ultra

HOME   |   MAIL